豪雪地帯として有名な長岡市について
長岡市は新潟県の中心的な都市で、人口は県内で第2位を誇っています。
また施行時特例市であるところも特徴的です。
施行時特例市とは元々法定人口が20万人以上で、地方自治法第252条の26の3第1項に定める政令の特別指定を受けた特例市だった都市でした。
しかし現在は2015年の制度の廃止によって、中核市に移行しなかった事を指しています。
いわば経過措置というわけです。
そんな長岡市は新潟県の中部、中越地方に位置しています。
石油産業も発達しており工業が発達している都市でもあります。
地図を見れば内陸で、豪雪地帯として有名です。
過去に何度も記録的な豪雪が確認されており、昭和56年1月21日には212cmの雪が積もったとされます。
同じく昭和61年2月9日には206cm、平成24年2月10日には170cmというように記録は更新中です。
ただし近年の温暖化の影響で積雪は減少していると言われています。
これに対して自治体は地下水源を用いた消雪パイプや新潟県独特の建築物こと雁木を設置し、国道や市道だけでなく、消雪を行っている模様です。
雁木とは雪除けの屋根のようなもので、長い軒のようなアーケードと言えば分りやすいかもしれません。
長い間人々が活用していたものの、維持や管理の負担や交通事故の原因になりかねないデメリットもあります。
同時に街づくりや街の景観を守るために積極的に維持を推し進めている自治体もあり、長岡市もまた駅前に雁木を模した大きなアーケードを設置しているほどです。
ちなみに市は雪への対応は熱烈で、「無雪都市」を宣言しているのが証拠と言えます。
盆地であり代表的な河川や神社がある
自然は雪が特徴的であるものの、地理的に盆地であるのが特徴的です。
すなわち冬は厳しく、夏も厳しい事を意味しています。
ただし一級河川である信濃川付近は遮蔽物があまりないため、風通しは良いです。
反面、遮蔽物がないゆえに風が強いところもあります。
南北に信濃川が跨いでいるものの、支流の渋梅川や市内を流れる柿川なども都市の代表的な河川です。
他にも万葉集にも歌われ、弥彦神社の神域である弥彦山や高龍神社がある蓬平温泉が挙げられます。
高龍神社と言えば長岡市でトップクラスに入る名所です。
商売繁盛を司る龍神が祀られており、県内および全国から参拝者が後を絶たちません。
長岡駅からバスで40分の場所にあり、118段の石段を超えた先に神社があります。
龍神と言えば古めかしいイメージがあるものの、神社自体の歴史は大正中期が始まりです。
この矛盾は信仰は古かったのですが、神社が建設されなかった事に尽きます。
そもそもの始まりは600年前にあった南北朝時代の動乱です。
この動乱で負けた南朝の武将が落ちてきたわけですが、当初は会津に向かう途中だったと言われています。
しかし蓬平にて落ち着いたと言い伝えられており、その理由が龍神が住んでいたからだそうです。
以来、村人たちは龍神信仰をしてきたとされています。
2004年10月23日に起こった新潟県中越地震の影響
高龍神社では白蛇が龍神の使いとされており、ご神体を祀っている奥の院と神社の中間にある院には実際に白蛇がいるようです。
蛇は商売繁盛の幸運を授けると言われているため、神社の御利益もそうなっています。
しかし高龍神社を含め、その周辺にある温泉地は2004年にその存続が危ぶまれました。
2004年10月23日に起こった新潟県中越地震です。
最大震度7という数値を叩き出したこの地震は阪神淡路大震災以来の大震災とされ、その被害は人的被害から自然的な二次被害だけでなく、社会にも影響を及ぼしました。
高龍神社周辺の温泉旅館はその被害の大きさによって「廃業をしなくてはならない」と報道されたほどです。
現在は立ち直り、蓬莱館福引屋と和泉屋、そしてよもやま館の3軒が営業を続けています。
この新潟県中越地震では2005年の復興を祈願して開催された花火「フェニックス」が話題になり、翌年からも続けられた「フェニックス」は今は長岡市を代表する名物です。
長岡市で開催される花火大会、もとい長岡まつりは日本三大花火大会に数えられます。
毎年恒例のこのイベントは1945年8月1日に起こった大空襲、長岡空襲からの復興を願って始まった長岡復興祭がきっかけです。
実はこの都市は戊辰戦争でも中心部が壊滅状態になる被害を受けており、その空襲を含めて「復活」のシンボルである不死鳥を市の紋章に取り込みました。
もちろん市内でのイベントは他にもあり、錦鯉品評会や奇祭なほだれ祭りなどがあるものの、花火の町の一面も持ち合わせる都市にとって長岡まつりは欠かせないイベントです。
そんな都市の出身者は古今、有名な人を輩出しています。
長岡藩藩主であり子爵でもあった牧野忠篤、日本文学に影響を与えた詩人でありフランス文学者である堀口大學や漫画「るろうに剣心」を手掛けた和月伸宏など政界や文学、さらにはスポーツや芸能界など様々な方面で活躍した、もしくは活躍中の人が大勢です。
新潟県はあまり注目される事はないものの、実は実力があります。
最終更新日 2025年5月20日 by aequorea